大学院教授あいさつ

日本医科大学産婦人科で産婦人科学・産婦人科医療を極めませんか?

鈴木 俊治 大学院教授

女性診療科・産科(産婦人科)は、次世代の創成を担うgenderとしての女性に対して、長いライフビジョンを見据えた健康を整えていく重要な役割を担っています。すなわち、女性が個々にとって最良の人生が送れるよう、そのライフサイクルのなかで起こりうる現象や疾患に対して、連続的かつ総合的に支援していくことを目的としています。

日本医科大学産婦人科学教室は、このようにきわめて大切な役割を担う医師を育成し、さらに、医科学、特に産婦人科学の発展を支えることができる研究を極めることを目的として、「臨床」、「教育」、ならびに「研究」の各分野で日々励んでおります。

日本医科大学は創立以来145年以上の歴史を重ねる、わが国最古の私立医科大学ですが、産婦人科学教室としての原型は大正11年(1922年)に整い、来年で100周年を迎えることになります。長い間に築かれた伝統は今も連綿と受け継がれ、多くの名医、エキスパートを輩出しています。日本医科大学産婦人科学教室は、こうしたよき伝統を継承する一方で、常に新たなことへ挑戦する姿勢を大切にしています。

産婦人科学は、周産期医学、生殖医学、婦人科腫瘍学、女性のヘルスケア(女性医学)の4領域に分別され、すべてを合わせて女性の一生に寄り添っていきます。当教室にはすべての分野におけるエキスパートがそろっており、質の高い最先端の教育を受けることが可能です。医師は辞めるまで自己研鑽に努め、学ぶべきものであり、常に患者さんのことを考えて治療に専念することが務めであり普通のことであると考えます。これに対して、教室員は全員が将来の医学・医療を担う有望な人材です。これらを基盤として、個々のビジョンや能力に合わせて、医師・医学者としての役割を果たせるような産婦人科医を育成します。大学スタッフを目指す者に対しては、研究や専門性をより重視するという多様性を加えた卒後教育を行い、一方、医局に残る以外の選択肢についても尊重し、一次医療機関や専門性の高い二次医療機関に勤務する医師のいずれも育成できる教育環境を心掛けています。

日本医科大学には4つの付属病院(付属病院、多摩永山病院、武蔵小杉病院、千葉北総病院)がありますが、4病院の教室各々に地域のニーズと病院機能に合わせた個性があり、とくに個々の将来や専門性が定まるまでは、多様に対応できるバランスのとれた考え方ができるように、可能な限り人事交流を図っています。また、サブスペシャリティを目指して、高度専門研修を受けることができる関連病院も擁しています。

患者さんに対して常に真剣に立ち向かって最高の医療が提供できるように、カンファレンスでは徹底した議論を行い、また、実技指導を厳しく行います。一方で、若い医師たちが自由闊達な意見を提示できるような雰囲気を大切にし、さらに、ここ数年は仕事とライフワークの両方が充実されるようon-offをはっきりすること、そして、働き方改革に積極的に取り組んでいくことを重要視しています。

最後に、産婦人科は命の誕生という感動の場に立ち会える科です。その感動を私たちと共有できるみなさんを待っています。

当講座の教育について

多くの医学が個体の保存を目的としているのに対し、産婦人科学は個体の保存はもちろんのこと、種の保存を目的としているという大きな特徴があります。産婦人科と一口に言っても、周産期医学、婦人科腫瘍学、生殖医学、女性ヘルスケアという一見かなり質の異なる領域を包含していますが、その要にはReproductionというキーワードがありこれらを束ねています。産婦人科学はReproductionを中心に繰り広げられる「多様性、diversity」に富んだ学問体系なのです。多様性に富んだ産婦人科学を究めようとするわが日本医科大学産婦人科では、多様性に富んだ人材を育成します。

日本医科大学について

日本医科大学は、付属病院、武蔵小杉病院、多摩永山病院、千葉北総病院の4つの付属病院を擁しています。それぞれが地域の特性に根付いた特徴ある診療を行なっています。専門研修(この研修過程は専門医制度で専攻医と呼ばれ、日本医科大学では専修医と呼んでいます)期間中は、関連病院(周産期専門、がん専門病院を含む)を含めて2〜3の病院をローテートし、多様性に富んだ研修を積むことにより総合産婦人科医としてどこに出しても恥ずかしくない医師に成長して行きます。

専門医取得後について

それぞれのサブスペシャルティ領域を極めたいと思うもの、基礎的な研究をしたいと思うものなど、個々の目指すものを究められるよう様々な場を設定しています。教室にはそれぞれの領域でわが国を代表するエキスパートが揃っており、なおかつ彼ら彼女らは「教え好き」でもあり、最高で最良の学びができる場だと自負しています。

われわれが育てようとしている医師は、上記のように技術的・学問的に優れているだけでなく、我が身を捨てて広く人々のために尽くす「克己殉公」の精神に基づいた真のプロフェッショナルです。わが教室の出身者は、患者さんに親切、親身で優しいと言われます。これこそ伝統のなせる技で、後輩は先輩の背中を見て知らず知らずのうちに身につけるものだと思います。

さあ、皆さん!日本医科大学産婦人科で産婦人科学・医療を極めようではありませんか?