周産期部門

付属病院では、正常分娩の管理に加え、各診療科と連携した合併症妊娠の管理、不育症・習慣流産の管理を行います。また、遺伝診療科と連携し、母体血を用いた胎児染色体検査(NIPT)を行っております(日本医学会の認定施設)また、心臓血管外科との連携により胎児先天性心疾患症例や、高度救命救急センターの協力により、スーパー母体救命症例の受け入れも積極的に行い、救命救急センター内での帝王切開や婦人科手術にも対応可能です。

武蔵小杉病院は、新生児内科・小児外科を有する地域周産期母子医療センターであり、救命救急センターも併設された充実した医療体制の下、神奈川県内でもトップクラスの母体搬送受入数を誇る高次施設において周産期医療の研修を行います。

多摩永山病院では「セミオープンシステム(母と子のネットワーク)」をいち早く導入し、多摩地域の中核施設として、豊富な周産期専門医の指導の下、最新のエビデンスに基づいて多様な症例に対応できるように研修を行います。

入局後に行うこと

入局後は、まず正常分娩、分娩誘発、吸引分娩等の手技の丁寧な教育を行い、入局後2〜3ヶ月で手術執刀開始を致します。また、子宮内容除去術においては、MVA(手動式吸引器)を用いた安全な子宮内容除去術の指導も行っております。当病院では、超緊急帝王切開決定から胎児娩出まで7〜10分程度での迅速な対応が可能な体制があり、それは高度救命救急センター・麻酔科・小児科・心臓血管外科との風通しの良い診療ができるチーム医療があります。その他には、先天性心疾患症例の周産期管理、母体血を用いた出生前遺伝学的検査(NIPT)のカウンセリングも自分でできるようになるまで、サポートいたします。母体急変講習会 (ALSO J-MELS PC3)・新生児蘇生法 NCPRなどのインストラクターも在籍し、院内講習会の開催も積極的に行っており、シミュレーション教育にも力を入れております。

主な研究内容

  • 原因不明流産における子宮血流異常の評価-3D超音波ドップラー法を用いた子宮血流測定
  • 不育症に対するヘパリン・アスピリン療法
  • 切迫早産と黄体ホルモン
  • 胎盤特異的miRNA
  • 難治性後期流産症例に対する経腹的頸管縫縮術
  • 超緊急帝王切開を安全に施行するための他職種院内シミュレーション
  • 災害時の妊産婦救護
  • 頸管長短縮・頸管無力症への新たな挑戦 頸管長短縮症例に対して経腟的プロゲステロン療法
  • 分娩誘発における効果的な器械的頸管熟化処置
  • 分娩第2期所要時間と臍帯動脈血乳酸値
  • 切迫早産管理における羊水sludgeの意義
  • 胎児発育不全胎盤とlong non coding RNAの関連における病理学的検討

主な実績

2018年実績 千駄木 武蔵小杉 多摩永山 千葉北総 葛飾赤十字産院 東京臨海病院 神奈川県立
がんセンター
分娩 450 727 399 119 1873 256 0
帝王切開 171 298 179 41 713 99 0
流産手術 74 73 21 7 90 24 0
頸管縫縮術 11 14 8 1 4 3 0
胞状奇胎除去術 6 3 9 0
母体搬送受入 33 115 47 4 97 0